美瑛町のこと
十勝岳連峰の雄大な自然と人の営みが織りなす
美しい丘の農業景観が美瑛の誇りです
美瑛の歴史
美瑛町の背景に広がる雄大な十勝岳連峰は、およそ200万年前の火山活動によって、現在の山容ができたとされています。その後もくり返される火山活動によって降り積もった火山灰の大地が雨や風に浸食されることによって、独特な丘陵地形が形成されました。
1894年に未開の地であったこの地に初めて開拓者たちが入植しました。決して農業に適した土地ではありませんでしたが、開拓者たちはその厳しい環境の中、沢沿いの狭い土地に張り付くように家を建て、傾斜地を一つひとつ耕していきました。その営みは、噴火を繰り返す十勝岳との闘いの歴史でもありました。こうした挑戦こそが、現在の得も言われぬ美しい農業景観を創りだす土台となったのです。
美瑛の農産物
北海道の中央部、大雪山国立公園十勝岳連峰の山麓に広がる美瑛町は、典型的な内陸性気候で1日の寒暖の差が激しいため、とりわけ甘味が強く美味しい農作物が育ちます。また、十勝岳の噴火によって堆積した火山灰を多く含む土壌や傾斜地を利用した畑は、水はけが良く、野菜の栽培に適した土地です。
現在では小麦、ビート、じゃがいも、豆類等を中心とした輪作体系が広く取り入れられていますが、その他の農作物としてスイートコーン、アスパラ、トマトなど、さまざまな種類の野菜を育てることができるのもこの土地の特徴のひとつです。
美瑛の丘
さまざまな農作物の彩が織りなすパッチワーク模様。3000枚もの四角い畑が広がる丘には夏にはじゃがいもの花が丘一面に咲きほこり、秋には小麦が黄金色に輝き、緑肥のキカラシやヒマワリは畑一面に黄色いじゅうたんのように広がります。同じ作物を続けて作らない輪作体系により、毎年異なる彩が丘をより魅力的に演出しています。
その美しく耕された畑の連なりには、傾斜地ならではの工夫が数多く隠れています。作物の苗をうねりのある畑に対して真っ直ぐに植えたり、トラクターに重りを付けて傾斜に逆らいながら耕すなど、農家のさまざまな知恵と苦労によってこの美しい農業景観が創られているのです。