陶芸作家

南 正剛さん

みなみ せいごう/札幌生まれ。大学を中退後、世界各国を周遊した後、陶芸の道を志す。瀬戸で陶芸を学び同地で開業するも、新天地を求め美瑛に工房を開く。作家の奥様とこども陶芸展の実行委員長も務めている。

陶器を手に取ったら、
まずは少しだけ
目をつむってみてください。

美瑛の風景との運命的な出会い

皆空ギャラリー

札幌生まれの南さんが美瑛に移住したのは30年以上前のこと。北海道の自然といえば知床半島など野生的で厳しいイメージがありましたが、初めて美瑛を訪れた時「北海道にこんなにのどかな自然があるなんて」と息を呑んだそうです。陶芸の道を志す前は世界中を旅していましたが、その旅で鮮烈に記憶に残った、ヨーロッパの田園風景に似ていたのです。当時は美瑛が観光地化する前で、離農する人はいても移住してくる人は少なかったといいます。そんななかで人々は南さんを温かく迎え入れてくれました。その後は地元の人に工房を知ってもらいたい一心で展示品を製作。住居の1階に窯を設置しただけだった工房も、アートギャラリーを併設するまでに拡大します。2005年にはドラマ『優しい時間』※1で主人公が働いた工房として実名で登場し、一躍有名になりました。

心の原風景が生活圏内にある贅沢

南さんの作品は美瑛の自然からインスピレーションを受けています。特にお気に入りの風景は自宅の窓から臨む十勝岳連峰※2からの日の出。朝日が連峰の端から昇り始める凜とした空気は格別で「心の原風景が生活圏内にあることがどれだけ幸せか、移住しなければ分からなかった」と南さんは語ります。そんな幸福な気分の時、創作意欲が湧き上がるそうです。

「慌ただしい1日の中でほっと一息つく贅沢な時間にこそ、私の陶器を使ってほしい」と南さん。誰しも心の奥に、懐かしさとともにその時の感情までも思い出す原風景を持っています。皆空窯の陶器を手に取って、自分だけの大切な風景に思いを馳せてみませんか。

※1 優しい時間:倉本聰脚本、寺尾聡、二宮和也主演のドラマ。劇中の主人公拓郎(二宮和也)が初めて作ったマグカップは南さんが製作した。
※2 十勝岳連峰:北海道・大雪山国立公園内の南西部に位置し、北東から南西につながる連峰。日本百名山のひとつ。

関連情報

皆空窯

住所
〒071-0235 北海道上川郡美瑛町白金
TEL
0166-94-3354
Webサイト
http://www.kaikukiln.com/

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