人形作家

嵯城 幸子さん

さじょう さちこ/美瑛で生まれ育った酪農家。とうきび人形は30 年以上作り続けている。先日はお孫さんにリクエストを受け、幼稚園のクリスマス会でクラス全員に人形をプレゼントしたそう。

世界でたったひとつの
ぬくもりがある。
ここ美瑛で。美瑛だけで。

少女時代の想い出から名産品が誕生

「アトリエぽぷり」の外観

70頭以上の乳牛を飼育する酪農家の嵯城さん。美瑛に生まれ地元に根ざして暮らしてきました。約30年前、美瑛が観光地として知られ始めた頃、農家として地元を盛り上げたいと仲間と地域おこし活動を始めました。搾乳の合間に、美瑛産品を使った観光客のお土産を作れないかと思いを巡らせていた時、幼い頃の記憶が蘇ったといいます。祖母が牛の餌のとうもろこしの皮で作ってくれた人形を、嵯城さんはどこに行くにも持ち歩くほど気に入っていたそうです。農業仲間と「北の手仕事の会」を結成し、牛舎の2階を作業場にして手探りで製作技法をブラッシュアップ。完成した人形は、各地で美瑛物産展を開催するたび大人気商品になりました。牛舎にまで人形を買い求めにお客様が来るようになったため、嵯城さんは後に店舗兼体験教室「アトリエぽぷり」を設営します。

心和む素朴な色合いは美瑛産植物を使って表現

製作にあたって難しいのは材料を揃えること。髪の毛はとうもろこしの髭、ほかは包皮を使用。また、ぬくもりを感じさせる色は美瑛産の野菜・草花を使って染色しています。例えばドレスの赤はハスカップ、黄はマリーゴールド、茶色は玉ねぎの皮など。1体を製作するのにかかる時間は1時間から数日かかるものもあります。嵯城さんがひとつひとつ愛情を込めて製作し、現在は美瑛町観光協会とアトリエで販売しています。人形には顔がありませんが、それは「小さい頃お人形遊びをしたように、手に取った人それぞれの物語を想像してほしい」との思いから。あなたも幼少期にタイムスリップしてみませんか。

※1 ハスカップ:
北海道でのみ栽培されている果物。古くからアイヌ民族が「不老長寿の実」として珍重していた。ブルーベリーに似た見た目、味だが数十倍のアントシアニンを含む。特産品としてジャムも人気。

関連情報

クラフト&コーヒーアトリエぽぷり

住所
〒071-0233 北海道上川郡美瑛町新区画
TEL
0166-92-4150

認定商品